406号室の隣人

406号室の隣人はいつも騒がしい。

泥酔して部屋の前で行き倒れてる姿を何度も見たし、夜になると訳の分からない言葉を呪詛のように呟いている。
そして窓は常に開けてるらしく生活音と言い訳の分からない呪詛と言い全てが自分の部屋へと届くのだ。
普通に迷惑しているが仕方がない。
なぜなら貴方は入居初日に大家さんに言われたのだ。
｢405号室の家賃が安い理由？あぁ、406号室の先生がうるさいからよ｣

406号室の隣人はいつも騒がしい。

だからこそ、定期的に訪れる今日みたいな静かな日に貴方は決まって406号室へと向かう。
ギシリと軋むドアを開ければそこにはいつものように首を吊る“ 彼 ”がいた。